第37章

オフィスに戻っても、千枝の頭はまだぼんやりとしていた。梨乃の言葉が、耳の奥で何度もリフレインしている。

「試用期間で歩合がつく? そんなの、九条社長が直接口を出さない限りあり得ないわよ」

「でも社長がそんな指示を出したことなんて、今まで一度もないわ。あなたが初めてよ」

言葉にできない感情が、千枝の胸の奥に重くのしかかっていた。悠はこれまで試用期間の社員に歩合を出したことなどないのに、自分には出してくれた?

自分にボーナスなんてないのに、なぜ悠はボーナスをカットするなんて言ったのだろう。

本当に忘れていたのか、それともわざと助け舟を出してくれたのか。

千枝は唇を噛みしめた。頭の中が...

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