第38章

千枝は人事部の反感を買った自覚があった。だから嫌がらせを受けるのは想定内だったが、まさかここまで幼稚な手を使ってくるとは思いもしなかった。

生理用品を手に取り、これを届けたらそのまま一階へ下りて拓洋を出迎えようと考えていた。

腐っても悠の秘書なのだ。誰にでも顎で使われるいわれはない。

しかしトイレに足を踏み入れた瞬間、個室のドアが開いて別の同僚が出てきた。

「あなた……」

千枝が驚いて声をかけた。

だが言葉を言い終わる前に、相手は千枝の首にかかっていたネックストラップを引きちぎり、スマホごと奪い取ると、彼女の身体を力任せに突き飛ばした。

床に倒れ込んだ千枝は、腕に何かが擦れて皮...

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