第51章

野次馬として集まっていた同僚たちは、千枝の腕の傷を見て一様に息を呑んだ。

彼女が閉じ込められたという一件は、昨日すでに社内を駆け巡っていた。

悠が自ら監視カメラの映像を確認しに行き、警備部が総出でピリピリしながら対応にあたり、多くの社員が千枝の捜索に駆り出されたのだ。会社中でこの話題を知らない者はいなかった。

最初は誰もそこまで深刻に受け止めておらず、ただの社員同士のいざこざか、成績の奪い合いだろうと高を括っていた。

何しろ拓洋との契約を取れれば、歩合の桁が変わってくるからだ。

だが、千枝がこれほどの大怪我を負っているとは誰も予想していなかった。もしこれが本当に表沙汰になれば、会社...

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