第57章

千枝は上機嫌で病室に戻ったが、中に入ると悠はすでに眠っていた。

よほど疲れているのか、目を閉じたまま眉間にしわを寄せている。

起こさないように抜き足差し足で入り、そっと部屋の明かりを消した。

急な入院だったため、通されたのは狭い個室で、ベッドの脇には椅子が一脚あるだけだ。

わざわざ簡易ベッドを借りる気にもなれず、千枝は椅子に座ったまま、ベッドの端に頭を預けて眠りに落ちた。

無理もない。この一日で、心身ともにすっかり疲れ果てていたのだ。

大学を卒業して間もないのに、社会人になった途端にこれほどトラブルが続くなんて。この先の前途は多難に違いない。

まどろみの中、いろんなことが頭をよ...

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