第75章

マーケティング部の会議室に近づいた途端、千枝の耳に中の話し声が漏れ聞こえてきた。

「なんで雪見秘書が担当なの? 彼女、入社したばっかりでしょ?」

「いったいどんなコネがあるわけ? あんなに優遇されるなんて」

「彩華だって痛い目を見たんだから。あんたたち、後で余計なこと言って目をつけられないようにね」

「何も分かってないくせに、来たら来たでインセンティブだけ持っていくなんて、不公平すぎない?」

雪花がわざとらしく大きな咳払いをすると、会議室の面々は慌てて口をつぐんだ。

ちょうどそこへ聖子がやって来た。

「雪見秘書、和栗秘書。お待ちしてました、どうぞ中へ」

千枝は何も聞こえなかっ...

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