第81章

悠は千枝の沈んだ様子を見て、早めに仕事を切り上げ、彼女を家まで送ることにした。

言い負かせるはずもないとわかっていた千枝は、半ば投げやりな態度で彼の車に乗り込んだ。

マンションの前に着いた途端、千枝のスマホに着信が入った。母親からだった。

きっとSNSを見たのだろう。以前、和也とはもう一緒にいたくないとこぼしたことはあったが、はっきりと別れたとは伝えていなかった。

それが今になって別れたとなれば、両親が心配するのは目に見えている。

無視するわけにもいかず、悠が車を停めるのを待ってから電話に出た。

「お母さん」

『千枝、今どうしてるの? 家にいる? なんだか声が変よ? 別れて辛い...

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