第八十五章

千枝は最終的に深緑のドレスを選び、悠のスーツも同系色で揃えた。

新作ジュエリーにはエメラルドを使ったものが多いため、確かに緑の方がテーマに合っている。

「この二着でお願いします。カードで」

千枝は悠から渡されたクレジットカードを取り出し、暗証番号を入力した。

その番号が自分の誕生日であることに、なぜか妙な胸のざわつきを覚える。

「雪見さん、九条社長から『ドレスは別荘へ届けてほしい』とのことです。先ほどわざわざお電話がありまして、仕事が立て込んでいるからこちらには寄れないと」

草太はにこやかにドレスの入った箱を差し出した。

千枝は目を丸くした。

「別荘に、ですか?」

「はい。...

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