第88章

会社に戻った千枝は、当然和也のためにとりなすことなどせず、まっすぐオフィスへ向かって書類の処理に取り掛かった。

一通りの業務を片付けると、ようやく加工部へと足を運んだ。

彼女がデザインしたジュエリーも、新作発表会で展示されることになっている。販売されるとは限らないが、お披露目は必須だった。

拓洋と提携してから初めての新作発表とあって、千枝も決して気は抜けない。

数点のジュエリーはすべて彼女自身が手掛け、細部に至るまで極限までこだわり抜いたものだ。

静かに作業に没頭したかったが、スマホが絶え間なく鳴り続けている。由衣からの着信は、これで十回目だ。

千枝は仕方なく通話ボタンを押し、ひ...

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