第9章

助手席に座った瞬間、千枝は車の免許を取ろうと心に決めた。

週末に休みがあるなら、絶対に教習所へ通おう。

秘書になったというのに、毎日社長に運転させるなんてどう考えてもおかしい。

その上、二人のあの一夜の出来事を思い出すと、さらに頭が混乱してくる。

社長が毎日自分を乗せて運転しているところを同僚に見られでもしたら、この後ろめたい関係が一発でバレてしまう。

悠は片手でハンドルを握り、もう一方の手で彼女の手をそっと包み込んだ。

「どうした?」

千枝は一瞬で硬直した。手のひらから全身に電流が走ったような感覚に陥り、手を引き抜くことすら忘れてしまう。

悠は彼女の手の甲を何度か撫でると、...

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