第123章 十二万

原田渉を見送った後、しばらくしてホテルのスタッフがテーブルの食器を片付けに来た。

「原田様、こちらが当ホテルのアプリでございます。お客様はプレミアム会員様ですので、何かご入用の際は、アプリから何なりとお申し付けください」

スタッフはQRコードとパンフレットを一枚取り出した。「こちらが当ホテルのパンフレットでございます」

原田麻友はQRコードをスキャンし、パンフレットを受け取ると、作業伝票にサインをした。

サインを終えた彼女は、顔を上げて食器を片付けている女性スタッフを一瞥した。「ここに一枚、お札があるのだけど、買わない?」

佐野陽菜はそれを見て、自分を指差した。「わ、私ですか?」

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