第20章 原田渉の罪悪感

彼女は涙を拭いながら、泣きついてきた。

「やっぱり……私は原田家の娘じゃないから、原田家の血が流れていないから、皆さんはきっと昔みたいに私を愛してくれなくなるし、大事にもしてくれなくなるんだわ」

彼女は泣きながら二階へと駆け上がっていった。

原田美紀子は心を痛め、その後を追う。原田弘は原田麻友に目をやり、なだめるように言った。

「麻友、先に日菜の様子を見てくる。あの子は今、情緒が不安定で、考えすぎているんだ」

そう言って、原田美紀子の後を追い、原田日菜をなだめに行ってしまった。

原田渉は二階へは行かず、代わりに原田麻友に話しかけた。

「前は家族みんながお前のことを誤解していた。...

ログインして続きを読む