第256章 一つだけ選べる

古川さんの背後にある木の扉が、ギィッと音を立てて開かれ、痩せ型の背の高い若い男が入ってきた。

「親父、海市の友達が姉貴と連絡ついたって。今すぐ姉貴を探しに行こうぜ!」男はそう言いながら口の中のガムをくちゃくちゃと噛み、いかにもだらしないといった様子だ。

「あいつらの話だと、姉貴は今、海市に自分で家を買って、車まで買ったらしい。そんな奴いるかよ。自分で家と車を買って、弟には買ってやらないなんて!女が家や車なんか買って、これからどうやって嫁に行くんだよ。どこの男がそんな女を嫁にもらいたがるってんだ!」

男はしばらく喋り続けたが、古川さんが動かないことに気づいた。「親父……」

息子が入って...

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