第312章 彼らこそが被害者

カメラのレンズに映ったのは、豁然と開けた洞窟だった。数千人は収容できそうな天然の洞窟が、目の前に広がっている。

洞窟の左側は、微かな光を放つ紅いな岩。

右側は、青い光を放っている。

さらに不思議なことに、この岩の真ん中には、極めて巨大で太い一本の木が生えており、その周囲には青々とした草木が茂っていた。

「幻覚か?」

誰かがそう口にし、洞窟内の静寂を破った。

「いいえ」

原田麻友が静かに答える。

阿部秀吉は驚愕から我に返り、足早に原田麻友の前へと歩み寄った。「向井辰也もここにいるんですか?」

「いない」

「では、今この場所は正常なんですか?」

「正常だ」

阿部秀吉はくっ...

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