第344章 霊木は自らを滅ぼした

 生贄の儀式はいつも通りに進められていた。原田麻友と白井秀良だけが、怨霊と化した梅さんの姿をはっきりと捉えることができた。彼女の全身からは、天を衝くほどの怨気が立ち上っている。

 その怨気は、その場にいるすべての村人たちを陰鬱に包み込んでいた。

 村人たちはなおも跪き、拝み続けている。彼らには梅さんの姿も、祭壇の上の死体も見えていない。

 口々につぶやくのは、霊木の蘇りについてだ。

 白井秀良が呪文を唱え印を結ぶと、祭壇の上の怨霊たちは残らず霊木の中へと吸い込まれていった。

 最後に吸い込まれた梅さんは、凄まじい悲鳴を上げた。

「殺してやる、殺してやる」

「殺してやる!!!」

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