第345章 結界を破る

霊木が自壊した瞬間、幻は消え去った。

原田麻友は枯れ果てた霊木に目をやり、そっとため息をついた。

やはり、幻は霊木の仕業だったか。

しかし、彼女の霊力はまだ回復していない。

つまり、結界は破られていないのだ。

踵を返してその場を去ろうとしたが、数歩も進まないうちに、背後から強烈な陰気が迫ってきた。

原田麻友は勢いよく振り返る。

「修行者……修行者だ!」

手足をだらりと垂らし、首をかしげた物の怪の姿に、原田麻友の心臓が跳ねた。

白井秀良だ。

白井秀良の魂。

彼は怨霊と化したのだ。

修行者が怨霊に。

並の怨霊よりも遥かに手強くなる。

「修行者! ヒヒッ、修行者だ」

...

ログインして続きを読む