第353章 モールス信号

夕暮れ時になって、ようやく原田麻友と田村玲央は営市の古文書を読み終えた。

営市の古文書は長くなく、有益あるいは特殊な出来事のみが記載されている。

しかし、事件が起きた期間が長いため、分厚く見えたのだ。

原田麻友は古文書を閉じ、瞼を半分伏せた。

田村玲央は顔色を変えず、「水を飲むか?」

彼が原田麻友の前に茶を差し出すと、原田麻友はそれを受け取って一口飲んだ。「黒田亘、彼で間違いないでしょうね」

黒田亘の来歴は、営市には記載されていなかった。

ただ、唐代末期、民は塗炭の苦しみを味わい、営市は特にそうであったと記されているだけだ。

戦乱、疫病、天災。

黒田亘が営市にやって来たのは...

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