第44章 先生

中川心春は腹を立てていた。

原田美紀子も心穏やかではなかった。

唯一、食べてすぐに横になった原田麻友だけが、心に何の負担も感じていなかった。

今回の急性胃腸炎で、彼女は修行の重要性をはっきりと認識させられた。

霊力で体を鍛えなければ、自分もただの人間だ。

腹も空くし、病気にもなる。老いもすれば、死にもする。

原田麻友:『天元観の妖道どもを滅ぼし、数え切れぬほどの魂を救ったのに、私の霊力が上がらないのは何故?』

システム:『救われた子供たちの親が、救ったのがあなただと知らないからです!』

原田麻友:『……だから霊力の報酬がないと?』

システム:『ありません。ですから申し上げた...

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