第493章 レイマユ

原田麻友は天巫院玲幻と話していた最中、ふと肌を撫でるような陰気を感じて顔を上げた。

見ると、濃密な陰気が窓の隙間からどろりと溢れ出している。

天巫院玲幻も同じ方向を見て、目をぱっと見開いた。すぐさま二階へ駆け上がろうとした、その腕を原田麻友ががしっと掴む。

天巫院玲幻は訝しげに彼女を見た。

原田麻友は表情ひとつ変えず、ただ彼を見返すだけで、何も言わない。

「…………」

天巫院玲幻はもう一度、陰気を放つ窓へ視線を戻す。確認するまでもない――原田日菜の部屋だ。

今日の原田麻友の、原田日菜に対する不自然な態度も思い出し、ようやく腑に落ちた。

彼の顔から焦りが消える。何事もなかったか...

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