第507章 前世の罪 今世の人を殺す

薄暗い室内に響くのは、岩崎ばあちゃんの沈んだ老いた声だった。

「……ある日ね。殺された心菜たちの亡骸から、赤い蛾が一匹――ふわりと飛び出したのさ」

声はいっそう低くなる。なのに、その瞳だけが、じわりと殺気に染まっていく。

「アタシが殺した。あいつらを――全員。ひとり残らず」

「子どもと蛾を連れて、ここを出た」

「……だけどね。霊力が崩れて、寿命も尽きかけてる。もう、あの子を守りきれない」

岩崎ばあちゃんは最後の位牌に線香を供え、ふっと顔を上げて原田麻友を見た。

「親分、何か聞きたいことはあるかい」

原田麻友の視線が、並んだ写真と位牌をなぞり、最後に岩崎ばあちゃんの顔へと落ちる...

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