第517章 兄妹の絆

原田渉は少し心を落ち着かせると、スマホを取り出して河野明日香に電話をかけた。ベランダへと歩み寄り、優しい声で語りかける。

「起こしちゃったかな」

返事を待たず、彼は言葉を続ける。

「いや、急に君の声が聞きたくなってね。僕ももう少ししたら寝るよ」

「君も早く寝なよ。もしどこか具合が悪かったら、我慢せずに使用人に伝えるんだ。僕にも電話していいからね」

「うん! 明日には帰るから」

原田渉が甘く囁くように電話越しで微笑んでいるのを見つめながら、原田大翔はゆっくりとスマホを取り出した。だが、連絡先を開いたところで、菅原杏奈と娘の電話番号すら登録していないことに気づいた。

彼は力なくスマ...

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