第527章 拓也兄さん大好き

穏やかな水面に波紋が幾重にも広がっていく。

数秒後、水面から赤い錦鯉が顔を出した。それはとても霊性があり、勢いよく跳ね上がると、そのまま蓮華座の上へと着地した。

「何が聞きたい?」

「弁空の手にあったあの模様は、いつからあるの?」

錦鯉は数秒沈黙した。

「私もよく覚えていないが、とにかく以前はなかった。あの時は確か、悪龍の結界が破れて、当時の玄門の親分が各門派の者を呼び集めて陣を修復しに行って……」

「弁空が行って帰ってきた後、体調を崩して、手にはあの模様が増えていたんだ!」

そう言うと、錦鯉はまた感嘆の息を漏らした。

「あの悪龍がどれほど強かったのか分からないが、当時は玄門...

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