第529章 阿弥陀仏

再び水面から跳ね上がった錦鯉を見て、大野佳奈は呆れたような表情を浮かべ、安藤安奈に視線を向けた。

「あんなに頑張ってるんだから、哀れんであげなさいよ!」

安藤安奈は淡々と錦鯉を一瞥した。

「ダメ」

錦鯉「……」

バシャッという音と共に水に落ち、水飛沫を上げる。

次の瞬間、また水面から顔を出した。

安藤安奈は尋ねた。

「……何て言ってるの?」

大野佳奈は数秒沈黙し、口を開く。

「自分は将来仙人になるんだってさ。あんたは見る目がない、後悔するぞって」

「若者を馬鹿にするなってさ!」

安藤安奈はしゃがみ込み、指先で軽く錦鯉をつついた。

「へえ、チンピラ発言ね!」

「何百...

ログインして続きを読む