第571章 私にお前のような娘はいない

原田美紀子は、闇の中を彷徨っていた。すると前方に、ふいに一筋の光が灯る。反射的に、その光へ駆け出した。

白い閃光が視界を埋める。ぼんやりした感覚が引いていくと、ぱっと視界が開けた。

目の前にいたのは、上は半袖、下は色落ちしたジーンズの少女。車から降り、青いリュックを手にして、顔いっぱいに不安を張りつけている。

麻友だ。

今のような冷えた距離感はない。ただ、怯えにも似た落ち着かなさだけがある。

使用人が彼女を連れ、別荘へと入っていった。

麻友はきょろきょろと目を動かし、驚きと好奇心を隠せない様子で室内を見回す。

「麻友様、旦那様と奥様、それから若様方とお嬢様が、中でお待ちでござい...

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