第584章 私は出ていかない

原田弘は原田麻友の手を引いて立ち去ろうとした。だが廊下の途中で、原田美紀子がすっと腕を伸ばして行く手を塞ぐ。

原田美紀子は信じられないという顔で夫を見た。

「麻友がやっと目を覚ましたのよ。怪我をしてないか、痛いところはないか――それより先に、日菜に説明させに行くことしか考えてないの?」

その言葉に、原田弘はやれやれと息を吐く。

「美紀子。麻友は俺の娘だ。心配してないわけがない。けど……ほら、麻友は今こうして無事だろ? 今、問題なのは日菜のほうだ」

「私、聞いたの……」

原田弘は原田麻友をちらりと見て、探るように言った。

「日菜が自分の寿命を差し出して、あの八人を生き返らせたって...

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