第619章 呪符の陣

「謝罪のためではありません。津端留衣を治療するためです」

彼らに背を向けていた津端真人が振り返り、初めて原田麻友をまじまじと観察した。

いぶかしげな声を上げる。

「治療だと?」

「はい」

「誰がだ?」

「私がです」

津端真人は手にしていた銅瓶を置き、後ろ手に組んで軽蔑の眼差しを向けた。

「親分は我ら津端家が誇る神目追跡の術の恐ろしさを、ご存知かな?」

「知っています。はるか千里の彼方まで追跡できると」

「ならば、その神目追跡の術が破られた際、いかなる結果を招くかはお分かりか?」

「術の破壊は、すなわち術法による反発を意味します。その反発の度合いは力の大きさに比例すると」...

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