第641章 狐の妖怪

久保田真美は原田麻友の顔色が変わったのに気づき、声をひそめて言った。

「先生……この呪符、役に立つ……ってことでいいんですよね?」

原田麻友はうなずく。

「本来は、修行を積んだ五大仙のうち――狐仙の術で描かれた護符のはず。だけど、この符は……」

「妖気が乗ってる」

「妖気!?」

「妖がいるの?」

「まさか、狐の妖怪……?」

原田麻友はもう一度、はっきりとうなずいた。

「狐の妖怪だ」

呪符を指先に挟んだまま、周囲を見回す。

この別荘には結界が張られている。侵入はできても追跡は難しい。相手は用心深く、痕跡すら残していない。

ただ――。

原田麻友は呪符を挟む指に力を込め、...

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