第642章 命を奪う陣法

冴え冴えとした月光の下、道士の影はゆらりと淡く、墨の闇へ溶け込んでいくようだった。

ただ、双眸だけが異様に明るい。

宙に漂う塵がかすかに揺れ、声は鐘のように腹の底まで響く。

「妖狐よ。貴様の元丹は我が用とし、我が大道を成す礎となれ。それが貴様の機縁だ」

「ぺっ!」狐の妖怪が露骨に顔をしかめる。「あたしの機縁? あたしが修行してた頃、お前のご先祖さまが生まれてたかどうかすら怪しいわ」

ぷりぷりしながら道士を指さし、原田麻友へ噛みつくように言う。

「先生、こいつです! こいつ、ただの邪修ですよ。わざと私たち妖を誘い出して傷つけて、元丹を奪って丹を煉って……それで自分の修行の足しにして...

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