第647章 もう一枚の神の札

車に乗り込んだ瞬間、車内の全員が固唾をのんで原田麻友を見つめた。

原田麻友は山の上で起きたことを手短に説明する。

「子どもは……見えなかったの?」

津端留衣が焦った声で訊いた。

「見てない」

「じゃあ――」

「子どもは、あいつの最後の切り札です。反噬を移して生き延びるための“器”みたいなもの。簡単には口を割らない」

渡部建が頷く。

「だから、わざと逃がしたんですか」

「うん。戦ってる最中に、追跡の印を仕込んだ」

「さすが部長!」

「部長が意味もなく逃がすわけないって、俺は信じてましたよ!」

「そうそう!」

渡部建は露骨なおべっか部員に白い目を向けた。

「で、これか...

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