第670章 わざと挑発する

次から次へと人が原田麻友に挨拶にやって来るたび、原田日菜の表情は見るからに険しくなっていった。

口元には作り物の笑みを貼り付けたまま。カメラが流れてきても、せいぜい軽く手を振るだけ。

「麻友さん!」

向井辰也が小走りで駆け寄ってきた。ボーイズグループらしい濃いめのメイクに、レザージャケットと革靴。耳にも指にも、いかにも派手なアクセサリーをじゃらじゃらと光らせている。

「麻友さん、オープニングのステージ、うちのグループなんすよ」

「うん」

挨拶を済ませるや否や、向井辰也は自分のチームのメンバーをさっと引っ張ってきて、ひとりずつ原田麻友に紹介し、頭を下げさせた。

その最中、向井辰也...

ログインして続きを読む