第674章 火の鬼

「焼け死んだ? 全員、焼け死んだって……逃げ出せたのは、あなただけのお兄さん?」

山口理沙は、到底信じられないといった顔をした。

「はい」

「みんな死んで、お兄さんだけ助かるなんて、変だと思わないの?」

大野秋奈は慌てて言い添える。

「でも、兄は無関係なんです。誰かに助けられたんです」

山口理沙の表情は、なおも疑いを拭えない。

「本当なの……」

藤原翼が大野秋奈を制して前に出た。

「無実かどうかは、原田先生に現場を見てもらえばいい」

彼は小切手を取り出し、原田麻友の前に置く。

「これは前金です。原田先生がこの件を片づけてくれたら、残り半分も払います」

原田麻友は小切手...

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