第679章 運命の赤い糸

 ――その夜。

 原田家の別荘は、しんと静まり返っていた。使用人の古川さんも、すでに休んでいる。

 廊下には、ぬくもりのある間接灯だけが点いていた。

 数人の影が音を殺して進み、原田美紀子と原田弘の寝室の前で合流すると、互いに小さくうなずき合う。鍵を取り出し、そっと扉を開けた。

 寝室の中では、美紀子も弘も深く眠り込んでいる。

 影がゆっくりと近づいた、そのとき――。

「誰だ! おまえら、何を――」

 弘が跳ね起きた瞬間、口を手で塞がれた。もう一つの影が、隣の美紀子を押さえ込む。

「んっ、んん……!」

 美紀子がもがく。

 ぱちっ、と寝室の灯りが点いた。

 弘と美紀子は...

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