第682章 中西家の人

「原田先生……このたびは、うちの息子をお世話いただきまして」

そう言いながら、一枚の小切手が原田麻友の前へすっと差し出された。

「どうか、こちらをお納めくださいませ」

中西浩志は営業用の笑みを崩さない。

「これは、息子を匿っていただいたお礼でもありますが……もう一点。中西家の長男がこちらで使用人のように働いていたなどという話は、外へは出さないでいただきたいのです」

そして隣に座る中西康雄の手の甲を、ぽん、と叩いた。

「縁というのは不思議なものでしてね。康雄に妻を探しておりましたら、礼奈が夢に出たと言い出しまして」

「夫婦の縁、というやつですな」

原田麻友は小切手を受け取らない...

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