第689章 冥王

仙宮。

雄覇鬼王と鬼の帝王が、みっともなく地面にひれ伏していた。

高壇の上――魔王のために用意された、やたらと豪奢な玉座。その椅子に、原田麻友が平然と腰掛けている。

隣の椅子には市川法子。だが尻は半分しか乗せておらず、怯えと興奮が入り混じった目で原田麻友を盗み見ていた。

「そんなに畏まらなくていい。少し訊くだけだ」

「先生、改まるべき時は改まらないと。尋問ってのは、まず気勢で相手を潰すもんですからね」

傍に立つ藤原翼が、市川法子の肩をぽんと押した。

「ちゃんと座れ。先生に近すぎると、迫力が削げる」

「…………」

不満げに身を引き、ついでに藤原翼を睨む。

原田麻友が口を開く...

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