第695章 閻魔帳

数言やり取りしただけで、原田日菜は言葉を失った。

原田渉は言う。

「麻友は俺と明日香をもう一度引き合わせてくれた。それに明日香と、腹の子まで助けてくれた」

「俺と明日香の恩人だ」

「原田家の人間だからって、それを全部なかったことにするのか?」

原田渉はそこで一拍置き、視線を落とした。

「それに……俺と明日香がどうして別れたか。日菜、お前がいちばん分かってるはずだ」

「渉さん、あれは私、説明した……」

「もういい」原田渉は原田日菜の言葉を遮った。「日菜。今日は、穏やかに婚約したいだけだ」

「……」

原田渉は言い終えると、声を落として原田麻友に告げた。

「麻友。お前を婚約の...

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