第751章 愛の具現化

別荘の外には、黒いSUVが二台停まっていた。

男がもう一台の車へ歩み寄る。ウィンドウがすっと下がり、田村玲央の顔が覗いたところで、男は口を開いた。

「田村社長。警備は、こちらで復旧しました」

「分かった。先に戻れ」

ほどなくして、もう一台は走り去る。別荘の外に残ったのは、黒い車が一台だけ。

車内は薄暗い。街灯の頼りない光が、斜めに差し込むだけだった。

田村玲央は別荘の方角に目をやり、指先でトントンとハンドルを叩く。

「原田日菜は……俺の運を借りてるのかもしれない」

田村玲央は勢いよく振り向き、助手席の原田麻友を見た。

「今、なんて言った?」

原田麻友は表情を崩さない。

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