第776章 私はただ原田麻友になりたいだけ

帝京。

真由。

原田渉が数人のデザイナーを連れて別荘に入ると、リビングには既に何列にもわたって服が並べられていた。

「これは……」

山口理沙がデザイナーたちを一瞥し、淡々と言う。

「田村家から届いたの。真由と、私たちの冬物だって。真由のは全部オーダーメイドで、好みの系統に合わせてあるらしいわ」

「君も、真由の衣替えの準備で来たってわけか……」

原田渉「……」

一歩遅かった、か。

眉間にわずかに皺を寄せて尋ねる。

「真由は?」

「出かけたわ」

理沙は顎で外を指す。

「まあ、せっかくデザイナーも連れてきたんだし……ね」

にこりと笑う。

原田渉は小さく頷くと、デザイナ...

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