第785章 九条碧

「碧?」

原田麻友は手にした位牌を掲げ、そこに刻まれた九条碧の三文字を見つめた。

九条伊織がこくこくとうなずく。

「そう、碧。先生、この名前どうですか?」

伊織は子供の怨霊を抱き寄せ、親しげに髪を撫でてやる。

別荘で過ごす時間が長くなるにつれて、子供の怨霊の身にまとわりついていた怨気はずいぶん薄れた。いっそう愛らしく、素直になっている。

「碧ねえ。お母さんが名前を付けたくなかったわけじゃないのよ。たくさん考えたのに、どれがこの子に合うのか分からなくて……」

「先生も言ってたでしょう。この子の名前は、良すぎても駄目。福分が高すぎても駄目。でも、悪すぎるのも駄目だって……」

この...

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