第792章 金食い虫

仮の休憩場所へ戻るなり、津端留衣はもう我慢できないとばかりに吐き捨てた。

「本当のことを言ってる? 誰が信じるかよ! ……いや、幽霊だって信じないっての」

部員の一人が鼻で笑う。

「鬼の胎だぁ? 形のある胎児が“鬼”って、どんな冗談だよ」

「戻ったぞ!」

女の幽霊と赤子の怨霊を追っていた部員たちが戻ってきた。

「赤子の怨霊は力が強すぎる。動きも速い。追いつけなかった。それと……」

報告に来た部員の顔色がどこかおかしい。

「途中から、あいつらの陰気が……何かに覆い隠されたみたいに、探れなくなった」

その一言で、場の空気がひりつく。

とりわけ、天巫院玲幻の表情が硬くなった。

...

ログインして続きを読む