第796章 陰で陰を養う

十数台のパトカーが流水村へ雪崩れ込み、もともと騒がしい村は一気に喧噪に包まれた。

「なんで親子鑑定なんか――うちの子だろ!?」

「何するんだ! どうしてうちの子を連れていく!?」

「息子! 私の息子ぉっ!」

警官たちは家々に踏み込み、男女の別なく子どもを連れ出していく。抵抗する村人もいて、掴みかかろうとしたところを銃声で制止された。

小山由樹は両手を擦り合わせながら、大股で原田麻友と渡部建の前へ出た。

「まさか、村ぐるみで人身売買とはな」

こんな話、昔なら珍しくもない。だが、いまは――いったい何年だと思ってる。

「おまえらはそっちを片付けろ。ここは俺がやる」

大きな赤い布に...

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