第798章 トロッコ問題

夜。

今夜の流水村は異様なほど騒がしかった。外には十数基のサーチライトが組まれ、村全体が白昼のように照らし出されている。

原田麻友は屋敷の門の外に立ち、各分野の専門家たちが険しい顔で一つ一つを検分していく様子を眺めていた。

――彼らがまだ生きている、と彼女が断言しなければ。法医は器具を抱えて現場で解剖を始めていたかもしれない。

門扉に斜めにもたれ、視線だけで専門家の動きを追う。スマホが鳴って、ようやく麻友は目を戻し、通話に出た。

『さっき会議が終わったところだ。君のメッセージ、今見た。何かあったのか?』

田村玲央の低い声。

麻友は人の少ない場所へ移り、平たい石に腰を下ろした。

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