第819章 青木の竜年

狂える三郎の母は大きくため息をついた。息子を説き伏せられないと悟ると、原田麻友へと視線を向ける。

「先生、もしうちの子があの子と結婚したら、幸せに暮らせますの? ずっと奥さんに押さえつけられるんじゃないかしら」

「はい」

原田麻友は迷いなく言い切った。

まだ言いたいことが山ほどあった狂える三郎の母も、狂える三郎本人も、思わず固まる。

次の瞬間、母はさらに焦った。

「ほら、先生もそうおっしゃってるじゃない。だから、もし結婚なんてしたら――」

「あなたの息子さんは、誰と結婚しても奥さんに主導権を握られます」

「…………」

信じられない、といった顔で母は原田麻友を見た。

「せ…...

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