第843章 黒龍久志羅

原田麻友は玄関口に立ち、浮き立った様子の安藤安奈が去っていく背中を見送っていた。

山口理沙が首をかしげる。

「……何か、おかしいの?」

「彼女は功徳を積み重ねてきたはずなのに、急に生死の厄が乗った」

その厄は唐突に現れたものだった。これまで安藤安奈の命盤には、存在しなかったはずのもの。

原田麻友は視線を落とし、指を折ってもう一度算を取る。しばしの沈黙。

「生きるか死ぬか――どちらにも転ぶ厄だ。先は読めない」

山口理沙が眉を寄せる。

「でも、あんた自分の呪符の紙まで渡したじゃん。それに浩太郎もそばにいる。大丈夫でしょ!」

「いまネットでもめちゃくちゃ人気あるし、ファンだってい...

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