第863章 空っぽの殻

一人の鬼三匹の妖は息を殺しながら玄関まで来ると、モニター付きインターホン越しに外を覗いた。そこでは警備員が三、四人がかりで、若い女の子を外へ引きずり出しているところだった。

女の子は暴れながら叫ぶ。

「止めないで! 先生に会わせて!」

残っていた警備員がふう、とため息をつき、入口脇に供えられていた蝋燭と菊の花をまとめて抱え上げた。固く閉ざされた扉を見上げ、

「……これで何人目だよ」

愚痴りつつも、彼は扉に向かって一度だけ深く頭を下げ、それから踵を返した。

部屋の中では、須藤葉奈たちが揃って安藤安奈を見た。

安藤安奈は無表情のまましばらく立ち尽くし、やがてどうでもよさそうに言う。...

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