第240章 この子は残しておけない

「泣いてばかりじゃないの! 少しは泣き止みなさいよ!」

鈴木蛍の怒りが一瞬にして爆発した。彼女は突進し、ためらうことなく翔太を床に突き飛ばすと、そのまま彼の足に激しい蹴りを見舞った。

翔太の頭がドンッと鈍い音を立てて床に激突する。彼は激痛の走る後頭部を押さえ、苦悶の表情で倒れ込んだ。その目からは、とめどなく涙が溢れ出ている。

涙の跡が残る顔は、あまりにも痛々しかった。赤く腫れ上がった目に涙がぐるぐると渦巻き、わずかに震える唇は、内なる恐怖を必死に押し殺そうとしているかのようだった。

今の彼は、まるで捨てられた小動物だ。孤独で無力で、見る者の心を締め付ける。

「何が悲しくて泣いてるの...

ログインして続きを読む