第250章 ごめん、賢一

受話器の向こうで、上原成天の声は少し躊躇っていた。

「賢一、君の立場には同情する。だが、上層部からこの事件で私情を挟むなと釘を刺されているんだ。本当にどうにもならない」

「俺が頼れるのはお前だけなんだ、上原成天」

賢一はほとんど懇願するような口調だった。

「政界に顔が広いお前なら、何とか解決策を見つけられるかもしれないじゃないか」

「気持ちは分かるが、俺もそんなリスクは冒せない」

上原成天の声はきっぱりとしていて冷ややかだった。

「もしバレたら、俺の将来にも響くんだ。すまない、賢一」

賢一はどっと脱力し、心の中は絶望で塗りつぶされた。

引き続き他の政界の友人たちに電話をかけ...

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