第90章 失明

オフィスの中、藤原圭は未だ鈴木瑠璃と絡み合う夢に浸っており、これから起こる悲劇など知る由もなかった。鈴木蛍は音もなくドアを閉めると、その顔に張り付いていた笑みを徐々に歪ませ、陰湿な喜びに口角を吊り上げた。彼女は心の中でほくそ笑みながら、陽光病院へと向かう準備を整えた。

「藤原圭、あなたって本当に甘い人ね」

 彼女は独り言ちると、その瞳に昏い光を宿らせた。

「本気で思っているの? 私があの鈴木瑠璃と仲良く共存できるだなんて。ありえないわ、永遠にね!」

 鈴木蛍は、助手が調べ上げた住所を頼りに、その私立病院へと足を踏み入れた。

「こんにちは。従妹の鈴木瑠璃のお見舞いに来たのだけれど」

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