第10章
私は頷き、彼と一緒に近くの空き地へと向かった。ここはかつて緑地だったが、今ではただ焦げた土壌と数本の枯れ木が残るのみだ。
「知っておるかの? あんたが住んでおるあの廃神社の近くは、昔わしが管理していた公園だったんじゃ」
山田さんは遠くを指差した。
「毎年春になると、花が咲いてのう、公園全体が花に満ち溢れて、そりゃあ美しかったもんじゃ」
彼の目には、思い出の光がきらめいていた。
「わしはあの木々の世話を四十年以上もしてきた。災厄が始まったあの日、わしは一番古い木に水をやっておったんじゃが、突然くらっと目眩がしての。目が覚めたら、植物に花を咲かせられるようになっておった」
遠...
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1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
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9. 第9章
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