第186章

俺はとっさに彼を叩き、冷静になるよう合図した。

その時、藤田佑奈の声が響いた。

「おじさん、三船亜由美さん、聞いて。周りで変な音がする」

 俺は眉をひそめ、耳を澄ませる。確かに周囲から奇妙な音が聞こえてくる。まるで何かの鳥が鳴いているような音だ。

 その正体が何であるかを聞き分けた瞬間、俺は思わず「まずい」と声を漏らした。

 俺はすぐさま音のする方向へと駆け出した。

 三船亜由美たちも状況を察し、すぐに後を追ってくる。

 今の俺の目は夜視能力を備えているため、森の中の様子は手に取るように見えていた。

 斜面を滑り降りたとき、眼前の光景に俺は凍りついた。俺の気配に驚いたカラスの...

ログインして続きを読む