第196章

扉は開け放たれ、辺りは静寂に包まれていた。聞こえてくるのは、砂浜に打ち寄せる波の音、草むらの虫の音、山森からの野鳥の鳴き声、そして焚き火が爆ぜる音だけだ。

俺は神経を研ぎ澄ませて周囲の気配を探り、迫りくるかもしれない危険に警戒していた。

時間が過ぎるにつれ、夜の前半は退屈なままゆっくりと更けていく。

今夜の瑠璃は機嫌が悪いらしく、一言も発しない。

黒田輝は過労気味なのか、いつもよりだいぶ遅れてやってきた。俺が眠気に襲われているのを見て、申し訳なさそうに言った。

「海老原和生、すまん。寝坊した」

俺は手を振って気にするなと合図し、机に突っ伏して深い眠りに落ちた。

意識が遠のいてい...

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