第262章

丸一日歩き通し、そろそろ食事の時間だ。

俺は黒田輝に声をかけた。

「火を起こしてくれ。俺たちのパンを炙って食おう」

飯の支度を任せ、俺は獲物を探しに辺りをうろつくことにした。

機械式クロスボウを手に巡回していると、微かな足音が耳に届いた。

それは普段の聴覚とは明らかに違っていた。まるでヘッドホンで増幅されたかのように、動物の足音が鮮明に識別できるのだ。

俺は深く息を吸い込み、意識を研ぎ澄ませて音の出所を探る。

方向を定めると、俺は迷いなくクロスボウを構え、引き金を引いた。

「パンッ」という乾いた音と共に、矢が左前方の茂みへと吸い込まれていく。

直後、苦しげな羽ばたきと鳴き声...

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